Interview
2020.12.22
食べチョク 代表・秋元里奈が提案する、心も満たす「食」のススメ
多様化が進む時代、ライフスタイルも人それぞれ。なにを選んで、どんなふうに食べるのか? そうした毎日の繰り返しが自分らしさをつくっています。だけど、理想的な身体づくりのためには少しストイックにがんばることも必要……? そんな食生活に悩む女性の「?」を探るべくステキに生きる“あの人”にインタビュー。
今回お話を伺ったのは、生産者から直接食材を購入できるオンライン直売サービス『食べチョク』を運営する株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長・秋元里奈さん。年中着用している『食べチョク』のTシャツをトレードマークに全力で仕事に打ち込む姿がメディアで多数取り上げられ、食に関心の高い人だけでなく、そのライフスタイルにも注目が集まっています。本当に健康的な身体づくりに必要なこととはなにか? 誰もが叶えたい理想的な食生活のヒントは、秋元さんご自身が「食」に向き合うなかで感じたというお話の中にありました。
Interview:秋元 里奈(『食べチョク』代表)
“昔は野菜が苦手で、かなりの偏食でした”
--まず、秋元さんが立ち上げられた『食べチョク』と同サービス立ち上げの経緯について教えていただけますか?
『食べチョク』は、生産者の方から直接購入できるオンライン直売所でして、現在3000軒以上の生産者さんに15000点以上を出品していただいています。立ち上げの経緯としては、もともと私の実家が農家だったのですが、廃業してしまった背景があって。なぜ、実家が農業を辞めてしまったのか というとところから生産者の状況について考えるようになりました。
特に小規模でこだわりをもつ生産者さんほど、販路の選択肢が少なく、儲かりづらくなってしまうというお話をたくさん伺い。こだわった生産者が正当に評価される世界をつくりたいと思い『食べチョク』をスタートしました。
--ご実家が農家ということですが、幼いころはどんな食に触れて育ってこられたのでしょう?
実家の畑ではスーパーに並ぶようないろんな品種の野菜を作っていたので、幼稚園くらいまでは、ほぼ実家の畑で育てた野菜を食べていました。ただ実は私、小学校から大学生まで野菜が苦手だった時期があったんです。きっかけは小学校の給食で、その当時は自覚していなかったのですが、たぶん実家で食べていた新鮮な野菜の味とちょっと差を感じたんでしょうね。そこから食わず嫌いが大学までずっと続いて、かなり偏食でした(笑)。でも、大学で少しずつ野菜を口にするようになって、今では普通に美味しく食べています。
--そうしたご自身の経験も踏まえて、現在は「食」というものをどう捉えていらっしゃいますか?
偏食だった時期に比べると、自分にとって「食」が“日々楽しむもの”になったというのは大きいです。「食」って、食べる行為だけではなく空間をシェアするところも魅力だと思っていて、全然食べられなかったときは、一緒にいる人が「おいしいね」って言っているものも自分は食べられなくて。今は食卓の会話もより楽しめるようになりましたし、純粋に食べられるものの幅が広がって楽しいというポジティブな感情になりましたね。
--確かに、ひと口に「食」といってもその在り方はさまざまですよね。『食べチョク』を利用している方の傾向から感じる、最近の「食」に関する気づきなどはありますか?
今年はコロナの影響もあったせいか、消費者のかたの食に求めるニーズが、少しずつ変わってきたなと感じています。たとえば魚だと、どうしても手軽に早く食べられる切り身のニーズが高かったんですけれど、あえて丸ごと一匹買ってイチから捌いてみるというように、外食に求めていたエンタメ性を家の中で楽しむ方が増えてきた印象はあります。
“誰からどんなものを買うのかをちゃんと選ぶようにしていますね”
--秋元さんご自身は、普段どんな食生活を送っていらっしゃいますか?
起業してからは、ずっと仕事だけの環境で過ごしているので、生活の唯一の楽しみが「食」なんです。私の場合、『食べチョク』の出品者さんから食材を送っていただいて自炊したり社員が作ってくれたものをいただいたりしています。なので、スーパーに行って買い物をするという機会は少ないんですけど、誰からどんなものを買うのかをちゃんと選ぶようにしていますね。この仕事を始めて知ったこととして、たとえば同じ大根だとしても育て方や品種によって栄養素が大きく変わってきますし、自分が知らない世界がたくさんあって。なので、普段からそうした背景や生産者さんのことをしっかり調べるように意識はしています。
--お仕事中心の生活だと、食べるタイミングが不規則になってしまうこともありますよね。
そうですね。仕事がら出張や外出が重なり、どうしても時間通りに食べられなかったり、かなり遅い時間に食事をすることもあったりします。だからこそ、余裕がある時は食材や作るものにこだわるっていうところはありますね。といっても、素材が良い分、シンプルに焼くだけ・揚げるだけくらいの手軽なものです。正直料理があまり得意ではないので、素材が良いところを「免罪符」のようにしているかもしれないですね(笑)。なるべく手間と時間をかけないようにして、保存の効くものだったり、作り置きしていたものと併せて食べるようにしています。
--素材がいいと調理に時間をかけなくても美味しく食べられるので、結果的に時短にもなりますよね。食に向き合い続けるお仕事をするうえで、秋元さんはサプリメントや栄養補助食品をどういうものと捉えていらっしゃいますか?
まず「食」とは別物だと思っていて。足りない要素を補うものであるし、先ほども言ったように、食べることって単なる栄養を補給するためだけのものではない大事さがあるので、そこで感じる喜びはリアルな食事でしか得られないと思うんですけど、健康維持の観点でサプリなどに頼ることで安心感を得られるっていうところはあると思います。私自身、普段からサプリメントを利用している訳ではないんですけれど、決して否定的ではないですね。
――食としての大切は決して栄養だけではないですよね。今回は『夜遅いごはんでも』という酵素サプリメントのメディアインタビューとなりますが、酵素も健康を作る上での大事な栄養素です。秋元さんは酵素にどんなイメージありますか?
酵素を使ったファスティングダイエットなどをやったことがあり、また直近でやろうとしています!酵素は体の調子を整えて良い影響を与えるイメージはありますが、忙しい中だとなかなか意識できず、疎かになってしまいがちです。継続的に取る必要があると思うので、それこそ『夜遅いごはんでも』などサプリメントを手軽に取り入れる方法を活用してチャレンジしていきたいと思います。
--いつもの食事にプラスしてサプリメントを上手に摂り入れることが出来れば、不規則な生活でも食べることをポジティブに楽しめるようになりそうですよね。
実は、前職時代にルールをきっちり決めてボディメイクをしていた時期があって、毎日記録をつけて栄養管理も徹底していたんです。だけど、楽しんでやっていたかというとそうではなくて、自分が無理をしていたんですよね。ストイックに食に気を遣うことって身体づくりにいいかもしれないですけど、ストレスがかかるとそれは果たして健康的なのかなって。それよりも無理をしないことって本当に大事なんだと思います。
--無理をしないことが大切だと、「食」に携わる方が言ってくださるのは心強いです。
『食べチョク』を利用してくださる方にもいろんな方がいて、毎食こだわって利用してくださっている方もいれば、月に一度のお楽しみとして利用してくださる方もいます。たとえば普段はサプリメントを取り入れながら手軽に食事を摂って、1週間に一度は身近で手に入る食材で料理を楽しむ時間をつくってみようとか。その選択肢のなかに『食べチョク』があれば嬉しいですし、一人一人ライフスタイルもやりたいことも違ったりするので、自分が出来る範囲で「食」を楽しめたらいいんじゃないかなと思います。
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by 佐藤大輔
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Profile
秋元里奈 『食べチョク』代表
神奈川県相模原市の野菜農家に生まれる。 慶應義塾大学理工学部を卒業した後、2013年に株式会社ディー・エヌ・エーへ新卒入社。webサービスのディレクター、営業チームリーダー、新規事業の立ち上げを経験した後、スマートフォンアプリのマーケティング責任者に就任し合計4部署を経験。 2016年11月に農業分野の課題に直面し株式会社ビビッドガーデンを創業。2017年5月にこだわり生産者が集うオンライン直売所「食べチョク」を立ち上げる。リリース3年で認知度/利用率No.1の生産者特化ECに成長。2019年9月と2020年4月にフジテレビ系列「セブンルール」に出演。2020年4月にアジアを代表する30歳未満の30人「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出。2020年9月よりTBSのニュース番組「Nスタ」の水曜レギュラーコメンテーター。オンオフ問わず365日24時間着ている「食べチョクTシャツ」がトレードマーク。
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