梅雨の体調不良の原因は気圧にあり?負けない体を腸から作る!

天気が崩れていくとともに感じる頭痛、だるさ。さらに症状が酷い人だと、めまいや耳鳴り…。そして共通するのが、まるで湿気を吸ったように浮腫む体。そんな梅雨時期の女性特有の体調不良、実はこれにも腸からのアプローチが有効です。

梅雨に起こりやすい体調不良

梅雨時期、特に優れない体調に悩まされている女性は多いのではないでしょうか。
湿気を吸い込むがごとく浮腫む体と顔。天気の崩れと連動するように酷くなる頭痛。雨の日には起き上がれないほどのだるさ。天気の悪さに体調が引きずられ、日常生活を送ることさえままならない人もいるほど。そこには「天気が悪くて調子がでない」では済まされない深刻さがあります。

そのような方は雨や気圧の変化にも一般的に弱い傾向にありますが、そこに拍車をかけるのが梅雨時期の湿度です。雨が多く、気圧が不安定で、かつ湿度の高い梅雨の気候がその体調不良にさらに大きく影響します。 

上記のような症状のことを「気象病」と呼ぶことは、今となっては多少広まりつつありますが、少し前まで認知度も低く雨の日の体調不良などは周囲に理解されることは少なかったように思います。
しかし大気圧が自律神経に影響を与えることが、明らかになってきました

なぜなら天気の変化=空気の濃淡は、白血球の状態を左右するから。天気が良くなると顆粒球が増え、天気が悪くなるとリンパ球が増えるのです。その理由は高気圧と低気圧のメカニズム。高気圧は寒いところで発達し、南に下りてくるので冷たくて重く、その空気中に酸素を多く含んでいます。対して低気圧は台風に代表されるように南の暖かいところで発生し、北上のルートをたどります。上昇気流で軽い空気には酸素が少ないのです。酸素が多いと交感神経が活発化し、脈が早くなり元気がでます。逆に酸素が少ないと体は副交感神経が優位になり、鎮静され脈が遅くなるのです。

そしてリンパ球、これが免疫の鍵。リンパ球が減れば免疫は弱まります。ではどうすればよいのでしょうか。実は、リンパ球が生まれるのが腸。そう、腸の働きが安定していれば多少の気候の変動には体が耐えることができます。

腸を鍛えて、免疫力UP!

だからこそ梅雨のお悩みには、免疫細胞の70%が集まる腸のケアがかかせません。

そもそも人間の体は「ちくわ」のように口から腸・肛門までが1本の管で繋がっており、そこは体の外側と定義されています。体の内側は皮膚の表皮と内臓の粘膜のその間だけ。粘膜には食べ物から栄養素を吸収しながら、体の中に入ってきた細菌やウイルスだけをブロックする役割があります。特に腸は食べ物とともに細菌やウイルスが侵入しやすい器官のため免疫機能が発達しているのです。

そのため腸内には、何重もの免疫に関わる防御機能が存在しています。
この腸内免疫機能で重要となるのが「IgA抗体」と呼ばれる免疫物質です。

この免疫物質(IgA抗体)は小腸でも大腸でも生み出されます。小腸では、取り込まれた乳酸菌やビフィズス菌が刺激となり、また大腸では腸内細菌の代謝物「短鎖脂肪酸」が刺激となって免疫物質が生み出されます。
ただ、ヨーグルトや発酵食品で乳酸菌やビフィズス菌を摂ったとしても、大腸で十分に短鎖脂肪酸が生み出されないと十分には免疫物質は産生されないのです。

この短鎖脂肪酸を増やすため必要なのは、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」。つまり生菌と食物繊維そしてオリゴ糖です。

※プロバイオティクス…ビフィズス菌や乳酸菌などの人の腸に存在する善玉菌そのものを摂取する。腸内の善玉菌を増やす有用菌のこと。
※プレバイオティクス…食物繊維やオリゴ糖など、有用菌の“エサ”となるものを摂取する。腸の中の有用菌を元気にして育てる働きがある。

免疫力を高めるおすすめレシピ

では、生菌と食物繊維、オリゴ糖を摂取するには?まず一番簡単な方法として食事から摂取することをおすすめします。具体的には乳酸菌が豊富なヨーグルトや漬物やキムチ、納豆などの発酵食品。そしてキャベツやごぼうなどの食物繊維が豊富な食材。オリゴ糖が豊富に含まれるはちみつやバナナなどがあります。ここからは、そんな免疫力を高める食材を使ったおすすめの腸活レシピをご紹介します。

冷ややっこの玉ねぎダレ

食欲不振になりやすい夏の時期でも、さっぱり美味しくいただけるのが冷奴。いつものお豆腐に特製の玉ねぎダレをかけたこちらの「冷ややっこの玉ねぎダレ」レシピ。玉ねぎは、食物繊維とオリゴ糖を豊富に含んでいるので、プレバイオティクスにも良い働きをする優秀食材の一つ。

出典:参考:病気にならない生き方 レシピ集/新谷弘実・新谷尚子 著

<材料(1人分)>
豆腐…1丁
だしじょうゆ…適量
おろし玉ねぎ…適量

<作り方>
1. 玉ねぎをおろす

2. おろし玉ねぎをだしじょうゆに入れ、かき混ぜる

3. 豆腐をやっこに切る

4. 冷ややっこに玉ねぎダレをかける

※食物酵素をできるだけ失活させないように、玉ねぎは直前におろす。

たっぷり野菜のヘルシー豆乳鍋

出典:免疫力を高めるおすすめ腸活レシピ!たっぷり春野菜のヘルシー豆乳鍋

<材料(2人分)>
生鮭…2切れ
春キャベツ…1/4個
アスパラガス…3本
しめじ…1/2株
ミニトマト…6個
水…400ml
オイスターソース…大さじ2
無調整豆乳…200ml
味噌…大さじ1
大根…8cm
キムチ…60g
ごま油…小さじ1
玄米ご飯…茶碗2杯分

<作り方>
1. キャベツはざく切りに、アスパラガスは根元のかたい部分を切り落とし、斜め4cm幅に切る。しめじは石づきを切り落としてほぐす。ミニトマトはヘタをとる。生鮭は4等分に切っておく。

2. 鍋に水、オイスターソースを入れて強火で熱し、煮立ったらキャベツ、アスパラガス、菜の花、生鮭を加えて火が通るまで煮る。

3. 煮ている間に大根の皮を薄くむいてすりおろして軽く水気を切り、キムチ、ごま油を混ぜて器に盛る。

4. 2の具に火が通ったら豆乳と味噌、ミニトマトを加えて沸騰直前まで温めれば完成。

recipe by 五十嵐ゆかり

口から腸までが1つの管で繋がっている人間にとって、腸はウィルスから身を守る大事なフィルター。構造と仕組みを理解して大切にお手入れすれば、自らカラダを守ることができます。そして体が強くなれば、梅雨時期の辛い不調も軽減するはず。ぜひ色々と試してみてくださいね。

text by 松本 愛
illustration by 横山 さと
出典:免疫力を高めるおすすめ腸活レシピ!たっぷり春野菜のヘルシー豆乳鍋
新谷弘実(2005)病気にならない生き方
新谷弘実(2011)自然免疫力をぐんぐん高める200%の基本ワザ

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